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今は無き成年向け雑誌「コミックピンキィ」にて連載していた分を単行本化。
成年漫画家「舞登志郎」氏が毎度の様に「コミックピンキィ」の編集長から命令を受け一般商業雑誌や同業の漫画家達、パソコンの18禁ゲーム制作等に関わり合いながらメジャー漫画家を目指すというドキュメンタリー企画漫画である。

いわゆる「漫画家の生活を描いた漫画」が好きだ。
過去に自分もそうだった時期もあるからだろう。通常部屋で一人で黙々と執筆作業を行う漫画家の人々は日々どんな事を思い感じどういう生活をしているのだろうと。
なのでこの手の「漫画家の生活を描いた漫画」に俺は弱い。
本屋の棚でタイトルを見つけるとつい手が伸びてしまう。

その基本になったのが過去に記事にした「藤子不二雄A」の「まんが道」だった訳で、このジャンルをやるからにはまず初めに紹介しておきたかったという個人的な拘りがあった。
現在では無数の「漫画家の生活を描いた漫画」が出ており俺の手に追える状況ではなくなった。もし運良く視界に入れば今後も手に取っていくだろう。


「妹の匂い」このタイトルが「舞登士郎」氏の初単行本となる。
内容は兄妹物の成年向け漫画だ。俺はこの「メジャー漫画家への道」で「舞登士郎」を知ったのでこのデビュー単行本は未見だ。「妹の匂い」は数ページだが本書の中に収録されている。
成年向け作品としてはこんな絵柄でこういう作品を描く人なのかと認識できるが、この「メジャー漫画家への道」本編では「舞登士郎」氏自身の顔やその他の登場人物にゲーム会社「カプコン」から発売された「ストリートファイターⅡ」以降の無骨なキャラクターデザインの影響が見られる。作中の企画出しでも受けるであろう萌系路線よりいわゆる「カッコイイ」や男性が活躍する内容を押し勧めていたりる。本人の性癖はロリ趣味らしいが、本来男っぽさを全面に出した漫画が好みの模様だ。

以下「舞登士郎」氏がメジャー漫画家へなる為に編集長から下された指令。

※「講談社」に持ち込み
「アフタヌーン」編集部に持ち込み編集者から名刺を1枚貰う。名刺を獲得した事で「担当が付いた」と上機嫌だったがその足で編集長と漫画家「速水憂海」に会い「今の編集者は名刺をとりあえず誰にでも渡す」という事を知り伸びていた天狗の鼻を折られて落ち込む。

成田空港に向かい漫画家「阿部ゆたか」氏に会い作品を批評される。
プライドを捨ててまで漫画にしがみ付く事が出来るかと問われる。東京まで徒歩で帰るハメになりなぜ自分は漫画を描くのか?読者に向けてとは?と悩み自分の中に「ヒーロー」がいた事を思い出しそれを元にネームを作成する。

※「角川書店」に持ち込み意見を聞く
元々角川向けに描いたネームでは無かったが「角川書店」の編集者に各雑誌にはそれに向いた読者がいる事を指摘される。最終的に「舞登士郎は成年漫画の場で表現していればいい」と断言される。

※半年近く美少女ゲームの原画描き
編集長に打診され18禁ゲーム「エンジェリーズン」の原画を半年かけて担当。

※同人誌ノウハウ本で同人作家座談会参加&漫画家「もりしげ」氏に会う
行動をせず言葉ばかりで逃げているのはどっちだと説教されて放心状態に。
(この時の対談が収録された本「東エリア壁組」は以降発売されたのだろうか?)

※「月刊少年チャンピオン」編集長に会いプロットを見せる。
対象年齢を定めずに描いてしまい、その事について出まかせでその場で都合のいいプロットを並べてしまう。喋っている内に自身では傑作と思い込み、これを今後コンテ起しする事を約束。しかし、いざ書こうとするとボケボケの記憶で全く描けない事に。

※「TBS」の番組「ガチンコ」に出演。
編集長が勝手にTV取材を申し込む。当時の「TBS」のバラエティー番組「ガチンコ」から「悩む漫画家」として取材を受ける事になる。取材中のやらせ演出に戸惑いながら最後は「江川達也」に説教を食らう。この時の放送録画を是非見たいと切望。運良く「youtube」にUPされたりしないかな。余談がだこの時「TOKIO」の「城島」と「松岡」が部屋に訪問するのだが18年後の今「山口」メンバーのせいで大変な目に合うとは考えもしなかっただろう。

※再び「月刊少年チャンピオン」の編集長に会いネームを見てもらうがボツになる。

自分が描きたい物と世間に望まれる物の葛藤、空回り、模索、迷い 翻弄が全編に渡って展開される。結局打開策は見つからず一時実家に戻り父親から見合いして家を告げと言われて1巻は終わる。終わってしまう。

このままメジャー志向で行くのかマイナー志向のままなのか。
ただ、この漫画は「舞登士郎」氏にしか描けない。
まぎれもない「舞登士郎」の青春がここにある。
今の俺が感じる事はサブキャラクターの登場人物達が「舞登士郎」氏に伝えたい事の一つとして「自分の心のままに行け」という事なんじゃないかなと。なんとなくね。

第二巻を希望するも今だ出ず終い。
「舞登士郎」は今いずこ。みんなのアイドル「舞登士郎」俺は好きだぜ「舞登士郎」


どうでも良いが俺の買った単行本は中盤からの数ページにて印刷が少しズレて汚れた感じになっている。まぁ個人的に読めればいいので大したことはないのだが一応ここに記す。